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コーヒーサーバは香炉である

美人プログラマ・ごうだまりぽです。最近は人工衛星とプログラムとスマートフォンの話が中心。
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2008年04月10日

[society]買名行為のすすめ

最近関東で、どうも地震が多発しているようです。こわいです。大災害になったらどうするか、本気で考えたりしています。

実は、阪神淡路・能登半島・新潟中越沖のときに、伝統的宗教団体や新興宗教団体や任侠団体が、炊き出しをしたり、御弁当や便利グッズを提供したりしていました。なかなか侠気がありますね。でも、その話は全然報道には上がってきません。アヤシイ団体の売名に加担するのはよろしくないから、とのことです。

さらに、ふつうの企業もいっぱい寄付をしました。それでも、いっぱい寄付をした会社や、自社で作った便利グッズを配った会社が、公共の電波で誉められることは、ありませんでした。新聞広告の隅っこで、「XX万円の義援金を送りました、お見舞い申し上げます」と、控えめに控えめに、ほんとうに目立たないところで自己申告しただけでした。報道されたのは主に高校生や大学生の無償のボランティアでした。現金をぽんと差し出した企業は、華麗にスルーです。

「人を大勢殺して有名になりたかった」という殺人者は、「人殺しとはけしからん! 晒し上げてやる!」ということで、大々的に報道され、結局、有名になります。
「人を大勢助けて有名になりたかった」という商売人は、「売名行為とはけしからん! 無視してやる!」ということで、全然報道されず、結局、有名になれません。

こんなことでは、人殺しをする人がやる気を出してしまうのに、人助けをする人が、やる気をなくしてしまいます。本来逆でしょう、とツッコみたい。
どうやら、いいことをするときは自分の損得を忘れなければいうかのような、潔癖な風潮があります。たとえば、(詐欺とかではない、まともな)募金活動で、スタッフがお給料をもらっているということに、批判が集まったりします。慈善事業への寄付を募る番組の出演者がギャランティーを貰っていると、批判されたりします。正直、理由が、よくわかりません。無償の人助けにリソースを提供し続けて生活に差し障りが出ないほどのお金持ちなんて、一体どれだけいるんでしょうか。私には、無理です。

どうしても誰かがやらないといけないこと、それでもなかなか商売にならないことというのは、世の中にたくさんあります。それを誰もやらなかったら、結局、国が税金でやることになったりします。せっかく「人助けをしよう、それで自分のイメージも上がるし」という人がいても、その人がやる気をなくしてしまったら、政治としてやるしかない。その結果、税金が上がって、家計がしんどくなったりします。

だから「売名上等」でいいわけです。言葉は悪いですが、放っておいて善行をしてくれる人は「おだてて、もちあげて、善行をやらせる」ほうが、絶対にいい。

それ自体をビジネスとして成立させるのが難しい社会貢献も、「大げさにやって有名になってイメージアップにつなげる」という形には、持っていきやすい。広告と一緒です。ただしそれは、「そうやって作られたプラスイメージが素直に受け止められる」という前提があればの話。偽善だ売名だと叩いてしまえば、それとは別の前提、逆の前提ができてしまう。

缶入りスープのキャンベルが、以前、アメリカで「ピンクリボン缶」を売っていました。スープ缶の売上の一部が、ピンクリボンキャンペーン(乳癌の早期発見や治療、啓発活動)に役立てられるというキャンペーン缶です。他にも、食料品や日用品のメーカーが、こぞって「ピンクリボンキャンペーン商品」を売り始めました。こういう売名的商品を出せば売れる、という土壌がちゃんとあるから、商売としても、社会貢献としても、成立するわけです。
同じ値段で、ピンクリボンな商品と、そうでない商品。それが並んでいたらピンクリボン缶が選ばれる。「売名」する人に対して大勢が「買名」することで、慈善事業っぽい活動も、経済の文脈にしっかり組み込まれるわけです。
さて、まとめ。

  • 匿名でできる善行には、限界があります。
  • 匿名の善行は、おもに愛でできています。が、顕名の善行には、経済があります。
  • そういう形での人助けが成り立たなくなったとしたら、助けの必要な人を税金で助けるために、税率だって上がるかもしれません。
  • 同じ値段なら、いいことをしている人の作ったものを積極的に買いましょう。そうすると、みんなが競って、いいことをするようになります。
  • とにかく、タダでいいことをしている人は、ガシガシ持ち上げましょう。おだてましょう。叩き潰すなんてとんでもない。
  • 公共の電波や公共の紙面も、タダでいいことをしている人をバシバシ取り上げちゃってください。
  • 偽善上等。売名上等。
  • そういうわけで、どんどん買名しましょう。

「みんながいいことをしたくなるシステム」の実装は、まだまだかもしれません。

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amati (2008年06月04日 08:16)

このエントリは、日本でNPOのファンドレイジングがビジネスとして成立しがたい背景が、奈辺にあるかをも突いていますね。


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